
古来より猫は、人間に愛されてきました。ペットとして、また古代エジプトでは、神的存在として崇拝されてきました。
そんな猫をモチーフにした「招き猫」は、日本において商売繁盛のお守りとされています。
世界的にみても「猫が顔を洗うと雨がふる」などの俗説や「猫は人を招き寄せる」と言われてきました。
招き猫の起源は諸説ありますが、いずれも元は中国で、唐時代の「酉陽雑祖」という書籍には「猫は福を呼ぶ」と示され、これが日本に伝来されたと言われます。
猫が手招きするポーズの像がつくられるようになったのは江戸時代で、溺愛していた飼い猫を亡くした遊女をはげますため、木彫りの猫を贈ったところ、これを聞きつけ模造品を販売した業者が、繁盛したことがきっかけという説があります。また遊女のことを「猫」と呼んでいたことも関係して遊郭から「招き猫」が生まれたという説は多く存在します。
しかしながら、一番有力な説としては東京都世田谷区「豪徳寺」の説です。お寺で飼っていた猫の手招きによって、一人の武士が寺に立ち寄りました。その後に激しい雷雨となりましたが、「この猫のおかげで雷雨を逃れ、和尚のありがたい説法が聞けた」と感激し、そのお寺を自分の菩提寺として、多大な寄進をし、お寺は繁盛したと伝えられます。この豪徳寺では猫が死んだ後、猫塚をつくり丁寧にと弔いました。
尚、この武士の名は井伊直孝といい、井伊直弼の祖父にあたり、幕末の動乱の中桜田門外の変で暗殺された人物です。
当寺の招き猫は、お子様にもなれ親しんで頂けるよう、オーケストラの招き猫となっており、写真スポットとしても人気です。
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