仁王像

仁王像は、阿形(あぎょう)像と吽形(うんぎょう)像の二体一組で配置されているのが一般的で、どちらも仁王像と呼ばれます。

「阿」には「物事の始まり」、「吽」には「物事の終わり」という意味があります。阿形像は口を開けて「物事の始まり」を表現しており、吽形像は口を閉じて「物事の終わり」を表現しています。したがって阿形像と吽形像を見分け方として、口の形を元に判断されるのが分かりやすいでしょう。

仁王像は、筋骨隆々で迫力十分なお姿ですが、実は仁王像自体は、仏教の中では、それほど高位の存在ではありません。
密教では仏様がランク分けされていて、いちばん最高位のランクが、大日如来や阿弥陀如来などの「如来」とされ、如来のひとつ下が、観音菩薩や普賢菩薩などの「菩薩」そして菩薩のさらに下が、不動明王などの「明王」です。明王のさらに下の「天部」があり、この天部に仁王像は、属しています。

普段何気なく使っている言葉も、実は仏教から来ているものが、たくさんあります。「阿吽(あうん)の呼吸」の阿吽もこの仁王像から来ています。これからは、この言葉を使うたびに仁王像を想像してみてもいいかもしれませんね。

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