お盆のこころ

夏の「お盆」は春秋の「お彼岸」とともに、わたしたちに最も親しみ深い仏教行事の一つです。

「お盆」正しくは「盂蘭盆(ウランボン)」の語源はインドの古い標準語であるサンスクリット語の「ウランバーナ」に由来しています。それは「逆さ吊りにされた激しい苦しみ」という意味であり、この苦しみを取り除くのが「お盆」です。

「お盆」の行事は一般的に8月の13日から16日に行うところが多いようです。13日の夕方に「迎え火」を焚き、ご先祖様を家に案内し、精霊棚を設けご先祖様の好物をお供えし、16日の夕方に「送り火」を焚き、再びご先祖様を冥界に送ります。また、肉親が亡くなって初めて迎える「お盆」を「新盆」といい、とりわけ手厚く供養します。
「お盆」は「魂まつり」とも呼ばれるように、ご先祖様の成仏を祈り、ご先祖様への感謝の気持ちを捧げる為の行事です。

私たちが日々幸せで平和な暮らしを送ることができるのは、両親をはじめ、ご先祖様のおかげです。「お盆」はこういった事を思い出す良い機会と言えるでしょう。
また、私たちが煩悩に蝕まれた現世の餓鬼となり、「逆さ吊りにされた激しい苦しみ」味わうことの無いよう、仏教という正しい教えをよりどころとして、一日一日精一杯生きることを、ご先祖様のの前でお誓い申し上げるのも、「お盆」にふさわしいことでしょう。

今年もまた暑い夏とともに「お盆」がやってきます。

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